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日本の会計制度を考えよう!

日本公認会計士政治連盟
〒102-8264
東京都千代田区九段南4-4-1
公認会計士会館
電話:03-3515-1155

 会長メッセージ 「2024年 年頭所感」

新年明けましておめでとうございます。

日本公認会計士政治連盟会長の手塚です。新しい年を迎えるにあたりご挨拶申し上げます。

印象に残る3つの政治対応

 私は、2019年7月から日本公認会計士協会会長に就任して以来、4年半にわたり国会議員の方々との関係を深めてきました。この間、特に印象深かった3つの出来事をご紹介します。
 まず、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で迎えた2020年3月期決算です。4月初めに緊急事態宣言が発令され、決算・監査現場の不安が著しく高まったため、当時の森政連会長とともに多くの国会議員を訪問して、3月決算上場会社の定時株主総会の延期を訴えました。その結果、4月24日には経済産業大臣が「企業決算・監査及び株主総会の対応について」という談話を公表し、続く28日には、金融庁・経済産業省・法務省が共同で「継続会(会社法317条)について」というガイダンスを公表するに至りました。議員の方々のご尽力により、迅速に定時株主総会の延期に向けた対応がとられました。
 次に、2022年の公認会計士法改正です。2021年9月15日から会計監査の在り方に関する懇談会、続いて11月末から金融審議会公認会計士制度部会が開催されるというスケジュールを睨んで、与野党の国会議員の方々に協会の考え方について説明を始めました。結果として、議員の方々には当協会の考え方をご理解いただき、通常国会において、衆・参両院ともに適切な質疑を行っていただきました。
 最後に、昨年の金融商品取引法改正です。金商法改正案は、昨年の通常国会で参議院において審議されず継続審議となりました。衆議院解散も取り沙汰される中で、廃案となるリスクがあり、また、改正法成立が遅れると現場に混乱を招くリスクもあったことから、国会議員の方々に折に触れて早期の審議を要望しました。また、法案に対する協会の考え方を参議院議員の方にご説明しました。結果として、最短のスケジュールで審議が行なわれるとともに、協会の考えに対する理解に基づいた質疑がなされました。

ミッション実現のための施策

 政連は、「日本のより良き発展のための制度改革を。」というミッションを掲げて活動しています。このミッションを達成するためには、国会議員の方々との意思疎通と相互理解を深めることが必須であることを学んだ4年半でした。
 公認会計士業界は、依然として多くの重要な課題に直面しています。公認会計士法については、サステナビリティ保証、監査法人制度、公認会計士試験制度等について、早い時期に法改正の議論を始めなければなりません。また、以下のような課題もあります。

①株主の議決権行使をより実効性のあるものにするための「定時株主総会の実質的な分散化」と「定時株主総会前の有価証券報告書開示」
現行の法制度下において理論上は可能ですが、ほとんど実現していません。会社法と金商法の二元的な企業情報開示と監査を一元化するための法令による対応を検討すべき時が来たのではないかと考えます。

②企業の情報開示に対する規律向上
有価証券報告書における企業情報開示がますます拡充されていくことが想定される中で、情報の信頼性を確保するためには、監査人に対する規律強化に偏ることなく、有価証券報告書の経営者による適正開示の確認を米国制度並みにするなど、企業側の規律向上策が必要であると考えます。

③監査品質の維持・向上のための監査報酬の増額
現代の監査人は、監査品質の維持・向上のために、人材確保、ICT基盤整備、デジタル化等に多額の投資を行う必要があります。これを可能とする適正な監査報酬決定のあり方について、法律改正も念頭において検討すべきであると思います。

④上場企業の価値向上と日本経済の成長性確保への貢献
東京証券取引所の市場構造改革や税制改正などについて、公認会計士業界としての考えを関係者に伝えていくことが、業界に対する信頼を高めることにつながると考えます。
 政連として、ミッションの実現のために、今後も努力を続けてまいります。

甲辰は「芽が成長し姿を整える年」

 さて、昨年、政治資金収支に関して、自由民主党において不適切な取り扱いが長年にわたって行われていたことが明らかになりました。これまでのお付き合いを通じて、日本のために日々努力している尊敬すべき国会議員がたくさんいることを知っているだけに、このような不祥事によって政治全体が国民からの信頼を失ってしまうことが残念でなりません。政連として、政党及び議員の方々に対して、襟を正して法令順守を徹底するよう強く要望しなければならないと考えます。また、政治の信頼回復のために政連が貢献できることがあれば協力を惜しみません。
 昨年は、世界が安全保障面においても経済面においても大きな不安を抱えたまま終わった1年でした。一方で、日本では、新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に位置付けられ、3年以上続いた不自由で不安な状態を脱し、ようやく日常を取り戻すことができました。経済面でも、政府が掲げる「新しい資本主義」のもとでの大幅な賃上げの実現や半導体業界に象徴される国内投資の増加など、長年苦しんできたデフレから脱却できる兆しが見えました。「葵卯(みずのとう)」の2023年は、「停滞した世の中に希望が芽吹き、花開くための助走の年」なのだそうです。「甲辰(きのえたつ)」の今年は、「芽が成長していき、姿を整えていく年」と言われています。
 今年も干支が示すとおり前向きな一年になって欲しいと切に思います。本年が皆様にとって幸多き一年となることを心から祈念して、新年のご挨拶といたします。

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